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3週間の情事
第4章 3日目
同じ営業の地田と、一緒に仕事が上がれる日なんて早々ない。
俺に特定の人がいないのも知っているから、今夜も一人で過ごすと思われていそうだ。
「あ~悪い。今日は先約があるんだ。また今度飲みに行こう」
「先約!? ノー残業デーの時でさえ仕事しているお前が? もしかしてとうとう出来たか?」
地田はにんまりと笑って、小指を立てる。
一昔前のCMみたいだな。
「まだ、そんなんじゃないよ」
空森さんとのことは知られない方がいいだろう。
3週間後には、また元のただの会社の同僚になる訳だし、変な噂が立って一番困るのは彼女だと思った。
「まだ? なるほどアタック中なんだな」
「……そうだな。時間がないから俺、行くよ」
これ以上詮索されるのも面倒だったから、取り敢えず話を合わせて切り上げる。
「おぉっ! 頑張れよ色男! また今度ゆっくり聞かせろよ!」
嬉しそうに手を上げた地田に見送られながら、会社をあとにした。