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3週間の情事
第4章 3日目
「あ……そうでしたか。俺、海外に付き合っている人がいるのかと思ってしまってました」
どうやら俺の勘違いだと判明した。
思えば空森さんの性格からして、付き合っている男性が居て、俺に恋人役を頼めるほど器用じゃないだろう。
俺の早とちりに、何故か空森さんは顔を真っ赤にして頭を下げてくる。
「すみません! 私が紛らわしい話し方していたので! それに恋人も居ないくせに偉そうなこと言って、山之内さんまで巻き込んでしまって!」
あぁっ!
俺が電話を聞いてしまっていたのは、たまたまだから仕方ないのに……
それすらも自分の責任に取ってしまった。
「俺が勝手に思い違いしたんです! そんなに気にしないで下さい」
慌てて謝り倒すのを止めに掛かると、空森さんは照れ臭そうな顔をしている。
「山之内さん……やっぱり優しいですね」
嬉しそうに微笑む空森さんに、胸が妙に落ち着かない感覚がした――――。