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報酬
第1章 日常
「ちゅ...くちゅ...はむ...じゅるる」

うくっ...気持ちいい...考えてみたらセックスはおろか、初めてのキスもこの悪魔なんだよな...オレ...。

「らめ!...ジュル...ちゃんと私を見て!」

あたたかい舌を絡めてお互いの粘膜をすり合わせ唾液を交換しながらソレは見つめてきた。

紅く妖艶に潤む瞳は、昨夜もそうだったが、理屈ではない魔力のようなもので一切の抗いをゆっくりと溶かしてゆく...。

「じゅる...ちゅっ...ちゅぽっ」

「んん...はぅ...なぁ...」

「じゅぽ!...はぅ。...かはっ...何?」

「それって、魔法...みたいなもの?...ぐちゅ...。」

「ん?キス?...ちゅ...ちゅ...どうて?」

「なんか...ちゅぷ...こうしただけで体が熱くなるし...ずず...頭もフラフラになる。」

「魔法なんて...使えないわ?ただ一つをのぞいては...ずちゅ...。」

「ちゅぱっ...じゅる...魔法じゃないのなら...ぺちゃ...なんなんだよ?これは?」

「決まってるじゃない...ずちゅ...」

「決まってる?」

「キス...よ。」

さらに深く侵入してきた舌先が、柔らかいうねりで巧みにオレの上顎と前歯の付け根を愛撫してくる。

はん...!思わずまた声が漏れる...。

「可愛いぃ!...もっと...もっと聞かせて。君の喘ぎ声...。」

舌先がチロチロと動き出す。

「はぅ!...ふ!...はぁぁ!くふっ!」

全身が溶けてしまいそうな感覚に襲われる。

「ねぇ...ちゃんと名前で呼んで?...じゅる...。」

「そっか...名前かぁ...ずちゅ...じゅるる...、」

「そう言えはまだお互い名前も知らなかったんだな...ぐちゅ...。」

「んんん...じゅるる」

「なんて名前...なの?」

「ちゅ...ちゅぱ...。」

「............。」

「............?」

「どした?」

「私...名前ない...。」

「そうなのか?...ちゅ...くちっ」

「じゃぁオレが付けてやるよ。」

「ホント?嬉しい!」

その時の表情はさっきまでの妖しげなそれと違って、無垢な子供のようだ。

「サンキューパスだから。えーと、サンキュー...ありがとう...謝謝!」

「シェイシェイ?」
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