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第8章 愛の痛み

　『愛してる』
メールの最後に示されても、愛する私の元には帰って来なかった。
セックスが終わって、現実と向き合っても、葉月は私を選ばなかった。

　ーー待っていたんだよーー


　心に欠片ほどの期待を抱いて、ボロボロに傷ついた貴女ごと受け入れる覚悟だってしていたんだよ。

　すっかり腑抜けた私は、仕事に行く気になれず、ルーム着のままコンビニに走り、持てる分の酒を買い込んでいた。

　小さなキッチンのテーブルで、ビールの缶を空けて喉に流しこんだ。
シラフでいるのすら限界だった。
飲めるだけ飲んで眠ってしまいたかった。
こんなんじゃ、ダメ！
酔ってしまえばいい！
一瞬でも葉月の事が頭から離して楽になりたかった。
時間を見計らって会社には体調不良で休む事を連絡した。

　とにかく……眠りたかった。

　取り憑かれた様にアルコールの缶を空けて飲んでいた。