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向日葵
第1章 愛を契る
 葉月との情事が終わると、私はそのまま眠ってしまった様だ。

 葉月の肌を感じながら、生まれたままの姿で眠る。
この世界で一人ぼっちだと決めつけて生きてきた。
巡り会えた愛しき人の胸の中に抱かれ、誰にも頼らず、一人で強く生きていくしかなかった。
そんな哀しみや孤独な心ごと救われてゆくのだ。

 ーー自分は一人じゃないのだとーー


 瞼の中で蘇るのは、あの日、あの時の葉月。


✾✾✾
 
 葉月との最初の出会いは、同じ高校の同級生だった。
同じクラスだったわけでもなく、顔を知っている程度。

 葉月は高校時代、三年間バスケ部に所属しており、キャプテンを任される程、プレイも上手ければ人望もあった。

 女子校だったせいもあり、背も高く、ショートヘアでボーイッシュだった葉月は同性からモテた。
バレンタインにはチョコレートを沢山貰って帰ったり、後輩からラブレターなども貰った事もある。
その頃は、『憧れの人、カッコイイ女子』としての人気だったに過ぎない。

 高校時代の葉月はその程度しか知らない。

 高校を卒業し、再び再開したのは自動車教習所だった。
お互いに別々の大学に進み、一年生の夏休みを利用して免許を取ろうとしていた。


 私を見つけて、声を掛けてきたのは葉月だった。

 


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