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向日葵
第1章 愛を契る
 「あっ!ねぇねぇ、すみれちゃん!
私ね、明後日誕生日なの」

 「七日?」

 「うん、八月七日。
獅子座のO型。
八月生まれだから葉月なんて単純でしょ?」

 「でも、凄く似合ってるよ!
葉月ちゃんに似合う名前だよ!」

 「すみれちゃんはすみれちゃんなんだな…
本当にすみれの花みたいに綺麗な人」

 「もう、やだなぁ…葉月ちゃん!
私の方が照れるよ…」

 「ねぇ、すみれちゃん!
予定がないなら、教習所終わってからでも、私の家に遊びに来てよ!」

 「えっ、いいの?」

 「うん、気楽な一人暮らしだし、気を遣う事ないわ」

 「一人で暮らしてるの?」

 「期間限定だけどね……
それまでは私の自由なの」


 その意味は後から分かった。

 私は急いで誕生日プレゼントを選び、その日を待った。

 葉月とは、教習所で仲良くなるそれ以前の事は全く知らなかった。
何が好きで、何が苦手なのかも分からなかったが、こうして仲良くなってゆくと気づく事もあった。

 葉月は、見かけによらず可愛い物が好きだ。
ボーイッシュだと思っていたが、ちゃんと化粧も施し、髪の毛のカットなどもマメにしているみたいで、時折カチューシャなどをして、髪型をお洒落をしていたり、長い脚を惜しみなく出し、短めのスカートやショートパンツなどをはいたりもしていた。

 身に着けているものは、ブランドなどに疎い私でも分かるほど、センスの良さを感じる高級なものばかりだった。

 葉月に似合うものを探し、喜んで貰えるかな?などと想像しながらプレゼントを選んでいる時は、凄く楽しくてワクワクしたのを今でも覚えている。

 ーー純粋に、葉月の特別な日を、一緒に祝える事を嬉しいと思えた。
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