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向日葵
第1章 愛を契る
 女性器を弄られながら、少し荒い吐息を吐き、蕩ける様な眼差しを私に向ける葉月。

 「すみれちゃん…
すみれちゃんの指、きも…ち‥あっ、うっ…いい…」

 「すみれでいいよ…
葉月、私の指にもっと感じて…」

 ピシャピシャと音を立てて指に絡みつく蜜の感触をじっくりと味わっていたかった。

 葉月は喘ぎながらコクリと頷く。

 「すみれ……あっ…愛してるぅ…ずっと、こうしていたい…」


 私も同じ気持ちだった。

 男女の巡り合いも縁なら、同性愛者の巡り合いも縁だ。
自分をひた隠しにしながら、同じ気持ちの人に巡り合い、愛し合う関係を築けるなんて…小説の世界で可能にしていっても、現実には難しいと思っていた。

 物語で同性愛を描いても、切ない片思いのものしか書けてなかった。

 想いを遂げ、激しく愛を語り合うなど、私には経験がなかったから…

 例え、その想いを妄想で描き、物語に閉じ込めたとしても現実がもっと虚しくなった。

 経験のないものを物語にして、理想だけを書き上げてしまう事にも抵抗があった。

 いつか、同じ想いを持つ同士と巡り合い、愛を契る日が来る事を願った。

 願っても、簡単には叶うものではないと自分に言い聞かせて、その日が来る事を夢見た。


 いつか、その日が来たら…

 ーー愛する人の前で心も身体も捧げようーー

 中途半端に自分を捻じ曲げる事なく、この想いのままの純潔を捧げようと。


 素顔の私ごと捧げる。

この世界に置き去りにされた私の心ごと救ってくれた貴女に捧げたいって。



 「私も愛してる……葉月…」


 ピシャピシャピシャ……
耳を掠める愛液の音が心地良い……
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