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向日葵
第1章 愛を契る
 葉月との幸せ時間を思い浮かべながら、眠りにつく事が当たり前となっていた。

 この幸せにも限りがある事は、葉月とこういう関係になっても、既に決まっていた事だからだ。

 私が男に生まれ、普通の感覚を持った人間であり、努力で何とか出来るのであれば、それに挑み、愛する者には誠実さを貫き、運命を変えてゆく事も可能にしてゆけたのかもしれない。

 でも、私はどこまでいっても女であり、生まれた時から親に決められた運命(さだめ)を背負う葉月とは、先が見えた恋しか出来ない。

 決められた期間を大事に過ごしてゆく以外、道はなかった。

 この世は、縁のある人としか交われない運命を背負って生まれてくるのなら、その中には、勿論、出会いもあれば別れもあるだろう…

 それが生きている者に平等に定められた運命なのだから。

 ましてや、同性愛者同士の恋が深い縁に辿り着くなど、稀な話しなのだろう…?


 葉月と居ると、目を閉じていても優しい陽だまりの中に居る様な安心感があった。

 葉月と同じ空間に居られる時間はあと僅か……
 ーー限られた時間で愛し合う定めの元に、私達は生まれてきてしまったーー
 


✾✾✾



 私は思う。

 今度生まれ代わるなら猫がいいなぁ…

 陽だまりを見つけて昼寝をする猫。
難しい事なんて考えない。
ただ、一日を気ままに過ごして生きてゆく。
人間のエゴで去勢をされても文句なんて言わない。
 
 ーー中途半端に性があるから、傷つくんだーー
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