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向日葵
第5章 愛し、愛されて
 旅行中、ずっと海の幸を堪能した私達は、帰り道でステーキハウスに寄り、ステーキのセットを食べて、私のアパートまで葉月は送ってくれた。
近くのパーキングに車を駐めて、葉月は部屋へと入った。
ブルーのイルカのついた鍵を嬉しそうに手に取り、鍵を開けていた。
葉月の住む高級マンションとは雲泥の差がある、小さな私の部屋は、必要最低限の生活に必要な物しか置いてない簡素な部屋。
それでも、葉月は小さな部屋を嬉しそうに見ていた。

 「カーテンはすみれのイメージだね」

 スカイブルーの遮光カーテン。

 そうね、貴女が気持ちを解放したい時にここに訪れたら、この青が貴女の心を包んでくれるわ。

 ーーそして、私もーー

 「可愛い食器棚。
あっ、これ!!私があげたカップとティーポット!」

 小さな安っぽい食器棚に貴女から誕生日のプレゼントで貰った高級食器は似合わないね…

 似合わないけど、貴女から貰ったもの全てが私の宝物なの。

 「テーブルと椅子も若いカップルや新婚さんなんかが好みそうね!」

 多分、小さなテーブルも椅子も貴女の指定席。
他に誰も招く気はないからそれで十分。


 「いい部屋だね!」

 「有難う。葉月。
紅茶でも淹れるわね」


 コーヒー党の私は、葉月の影響で紅茶を飲む様になった。

 「この茶葉、アールグレイのいい香り!」

 貴女が毎年、英国のお土産で買ってきてくれるじゃない。
なくなると同じものを買い足しているのよ。

 貴女と会えない日が続いても、私はこの香りに癒やされながら、貴女を思い出すでしょう……


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