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向日葵
第7章 愛と孤独
 「ねぇ、すみれ
マカロンの意味分かる?」

 「意味なんてあったの?」

 「あるんだなーこれが!
“あなたはわたしの特別な人です”っていう意味なんだよ。
知っている人はホワイトデーなんかにお返しであげるみたい。
私はそんなの関係なしですみれにあげる」

 甘く口の中で蕩けるマカロンは、ピンク、赤、黄色、緑、紫、オレンジ、水色と目を楽しませ、心に虹が掛かかった様な希望すらも与えてくれた。

 目の前で紅茶を飲みながら、上品にマカロンを摘む葉月が希望そのものなのだから。

 涙が止まって、梨花との出来事を話した。

 「痛い清算が一つ終わりましたな。
涼太君を傷つけた事は、すみれの心をくすませていたんじゃない?
女豹に一発パンチ受けて、良い波動に変わったのかもよ?」

 「そうね、そんな日に葉月を引き寄せた波動にも感謝するわ」


 葉月は自分のネックレスを外し、私の掌に乗せた。
 
 「これ、すみれにあげる。
私からの金メダル」

 私は掌のネックレスを眺めた。
満月を象ったゴールドのペンダントトップの裏側を見ると、すみれの花とlove foreverの文字が彫られていた。
 
 「離れていても、私はすみれを見守り続けて愛を誓うわ!
チンケな過去に泣きなさんな!
私が哀しくなるでしょ!」

 そう言って叱咤激励する貴女。

 「有難う。葉月。
大事にするわ」

 それでも貴女の帰る場所は私じゃない。

 貴女との別れを惜しむ唇はなかなか離れようとしなかった。
貴女が居るなら強くなれるのに……

 でも、強くならなきゃねぇ。
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