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続「辿り着く 先には」
第2章 『堕落』
感覚的に似ているものが沢山あるのだと言うことを分かっていたが、そんな事までもが同じだと聞いたはいいが、少しだけ怖くもなった。本当に聖の事を愛し始めているのだと深く分かったからだった。

それも、今までとは全く違う次元での話だった。今まで、自分が人を愛してだけで生きれたらそう思って色々な人にその想いを告げてきた。だが、聖への愛は全てを奪われそして、支配の元に完全なる服従と従順を求められる。

その完全な護られている安心感と、心さえ従えば今まで欲しかった愛が手に入るのだ。それは誘惑で魅惑だった。悔しい想いを隠しながら、手を握って湖畔の回りを少し散歩をしようと持ち掛けられたのには、素直に頷いた絢音だった。

風が、水面を揺らし本当に此処が湖なのだろうかとそう想う。打ち寄せては引くその、波を見ていると少し恐ろしくなって聖の手を強く握りしめた。

「どないした?怖いか?」
「湖の筈なのに、凄い力でおいでって言われてる気がする。海に良く感じることなんだけど。」
「感受性が強いなぁ、絢音は。だからこそ、色んな事が出来るんやろうけど。此処は、確かに人がよう亡くなる場所やからなぁ。」それに立ち止まってしまう、そんな絢音の肩を抱き寄せた。
「大丈夫や、今は僕がいるしね。絢音は渡さへんから。それに、亡くなる人はみんな船で出ていって真ん中で湖に飲み込まれる。」
「それは自分からって言うことでしょう、そんなの・・・」
「ほんまに優しいんやな、可哀想がっても命は戻らん。だけど、その人達の気持ちは分かる。辛くてしんどすぎるとなぁ、たまに思うわ。」

鬱病の辛さは自分もなったことで、身をもって分かることとなった。今度は絢音が聖を抱き締めた。

「そんな悲しいことは言わないで、もう辛いこともみんな私が貰うから。だから、生きて聖。そうだ、約束したじゃない、いつかイタリアに行ってワインを朝から飲んで、海を見て美味しいものを食べてゆっくりするって。そう言うことを考えて、生きたいって思って。」

必死な絢音が、可哀想になって微笑んだが弱々しいものとなったかもしれないとそう思った。ぽんぽんと頭を軽く撫でてから、抱き締めてまた唇をふさいだ。
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