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続「辿り着く 先には」
第1章 『絶対』
「そないな、顔したら台無しや。優しいし目をしぃ。」

抱き寄せる腕だけが優しかった、聖の何を信じればいいのだろうとそう思った絢音。考える余裕も与えられることなく、聖の上に軽々と乗せられ、下から突き上げられて悲鳴を上げるのを堪えた。

「鳴きや、声は抑えんくていい。厭らしい声を聞かせてやればいい。外にも漏れて、その淫乱さを皆に聞いてもらえばええわ。厭らしく、淫靡で、淫魔の絢音。可愛い声で沢山、鳴き。」
「嫌っ、いや、聖・・・!駄目。」

ぐっと、腰を押さえられ深く下から突き上げられてまた頭の中に白い光が現れそうで怖くなって抱き締めたくても腕は縛られたままだった。背中を引き寄せられ、抱き締めてくれる。温かさが意識を繋ぐ。

「絢音、愛してるは?」

そんな、言葉も放てないほどに自由を奪っておいてそれを望む聖の事を本当に愛しているのかと思った。だが、瞳を見ては駄目だった。全てが、体が心が聖を望む。

「愛してる、愛してる聖。離さないで!」

それに本当に満足そうに笑みを浮かべてから、更に強く突き上げられた。腕のタオルを外してくれた。強く強く、抱きしめた。

「愛してるよ、僕の奴隷。もっと、もっと望んで。」

抱き締められたまま、まるで剣の様に突き刺さった楔は絢音の心までも貫いたのかもしれない。深く深く、突き刺さった楔はひくつく絢音の中で、全ての快楽を吐き出しビクビクと震える体も心も全てを抱き締めててくれるのだった。

辛かったことも、悲しかったことも、今だけは思い出せなかった。たった一瞬の快楽の頂点が、この先の人生の全てを変えてしまうなど、何故、今この時わかっただろうか?

聖の調教と快楽は、人生に楔を打ち込みもうこの魔王無しでは生きていくことが出来ないのだとその時に虚ろに分かったのはその感情だけだった。

項垂れた背中を抱き締めながら、髪を撫でる聖。静かな部屋に響く、聖の声だけが耳に落ちる。

「絢音、いつまでも、僕の奴隷で。その間は絶対的な愛と快楽をお前にやろう。」

その甘味で美しい言葉を聞きながら、意識を落とした絢音を抱き締め、肩に唇を落とした。優しく抱き上げると、ベッドに寝かせその姿をじっと眺めているのだった。
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