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びっちカノジョ 【2期目】
第9章 Scene.08
 
 頼りない気弱な勇者。

 武闘派の魔女っ娘。

 山賊らしくない山賊。

 何故か懐いてくるピンク色のスライム。

 アイツらの姿が頭から離れなかった。

 何故か戻らなきゃいけない衝動が芽生えてた。

 いきなりの事で、アタシにも何でか分からない。

 分からないけど、今まで本能の赴くままにやってきた。

 今はヤりたい本能よりも、戻らなきゃいけない本能の方が強かった。

 だから、その本能に従うだけ。

「アタシぃ…ちょっと戻らないといけないのよねぇ」

「フフン…。ここから逃げられるとでも?」

「無理な事は言わない方が良いぜぇ?」

「大人しく、ヒィヒィよがりゃいいんだよ」

 グルッと囲まれている状況。

 確かに、この輪から逃げるのは難しいけど。

 普通は………。

「でも……ねぇ………」

 仁王立ちの儘で、すぅっと息を吸う。

 コイツらはやっぱりケモノ。

 さっきの事なんてすっかり忘れてるっぽかった。

「アンタ達っ。おすわっ…んぐぅっ?!」





 絶対成功すると思ってた。
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