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びっちカノジョ 【2期目】
第12章 Scene.11
 
 試しに近くの扉を開けてみる。

 固く閉じた窓の内側に木製の扉が付いた、ラブホみたいな客室。

 整然とした部屋に人影無し。

 試しに隣の部屋も入ってみた。

 同様。

「………大丈夫なの? 此処………」

 余計なお世話だと思ったけど、経営が心配になってきた。

 てか、そんな事考えてる場合でもないんだけど。

 クゥッ…とお腹が鳴って思い出した。

 お腹減ってたんだっけ。

 このホテルの経営の事はさておき、アタシの空腹の方が問題。

 取り敢えず、よたよたと覚束無い足取りで先へと進むしか無い。

 願わくば方向音痴機能も低下してくれると助かるんだけど。

 右手に階段。

 上がってみる。

 取り敢えず左。

 左手に階段。

 下りてみる。

 今度は右。

 右手に階段。

 また上がってみる。

 また左手に階段。

 また下りてみる。

 右に行ってみれば、また右手に階段。

 今度はスルーしてみる。




 スタート地点に到達。

 方向音痴機能はバッチリ働いてた。
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