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びっちカノジョ 【2期目】
第12章 Scene.11
 
「あぁっ、もおっ」

 方向音痴機能要らないのに。

 自分に腹が立つ。

 何度も扉を開けてみた。

 その度にベッドの上に居るあの二人の姿。

 イヤでもスタート地点だと分かる。

「はぁ………」

 喘ぎ声じゃない。

 溜め息。

 溜め息じゃなくて、喘ぎ声ならいくらでも出て良いのに。

 グゥッ…とお腹が騒ぐ。

 可愛くない音。

 もう、ヤスとかオークじゃなくても良い気がしてきた。

 あのベッドの上に転がる二人じゃダメだけど。

 取り敢えず、もう一回挑戦。

 くるっとカラダを反転させて再スタート。

「あれ?」

 しようとした。

 したけど、隣の部屋。

 微妙に扉が開いてる気がする。

 さっきまでは開いて無かった気がする。

 ………気になる。

 気になったら止まらない。

 チリンッチリンッと鈴の音を耳にしながら近付いてみた。

「………で………だから…………」

「………って事で………だろ」

 誰か居るのは確実だった。
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