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びっちカノジョ 【2期目】
第2章 Scene.01
「全く…堪ったモンじゃねぇな」
ブツブツ呟きながら、黒髪オールバックの男は鋭い眼光を向ける。
「………文句を言われる筋合いはないが?」
油断すれば気を持って行かれそうな射抜かれる眼光に、対峙する男は臆する事が無かった。
「…まぁ…なぁ。だからってよぉ………」
その男の態度を予測できていたかのように、オールバックの男、リュウジは言葉を濁す。
「そもそも……手打ちを御破算にしようとしたのはお前さんの方じゃねぇのか?」
頭部がケモノの男が放つ鋭い眼光。
ケモノ本来のエモノを狩るような視線は、リュウジの表情を顰めさせた。
「オレはそのつもりは………」
「お前さんはそう思っても、コッチもそう思うとは限らねぇんだぜ?」
「でもよぉ。だからって、今回のは………」
「あれだけで済んだのを喜ぶべきじゃねぇのか?
本当なら………」
対等だと思っていた立場が、徐々に傾けられていく。
ケモノ頭の男の前で、リュウジは苦虫を噛み潰したような表情を見せるしか無かった。