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先生とわたし。
第5章 二人きりの放課後


「麻美(あさみ)、今日先に帰っといて。古文わからないとこ、緒方先生に質問に行くから。」


麻美は、優の親友で2年生からクラスメイトになった他校の男子からもはやされるほどのボインちゃんである。


「うん、わかった。襲われないようにね。長江(ながえ・美容師)さんが、最近、優が来ないって心配してたわよ。」


いや、襲われたいんだけど・・・


「…ぅん。そんなこと言ってたんだ。だって髪切られたくないもん…せっかく伸びたのに…次のショーの髪型のラフ画見て話聞いたら…ツンツンウニ頭なんだもん。ベリーベリーショートだよ。」


長江は、優の1年生からの行きつけの美容院の美容師で、年は11歳上の29歳。

彼女のよき話し相手で、彼もプライベートから仕事のことまで優によく語っており、カットやアップのショーで優をモデルに使っていた。


「まぁ、なんか話したくなったらいつでも聞くから、一人で抱え込まないようにね。六之助(麻美の父)が、優に会いたがってたから、また遊びにおいでね。」


「ん、麻美、ありがとう。六ちゃんに、よろしく言っといてね。」


「ん、じゃあね、ばいばぁ~い。」


優は、麻美に手を振り、誰も居なくなった教室の窓際の真ん中の席に移動して緒方を待った。



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