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明治鬼恋慕
第11章 夜叉

《 焔来──生き残ってくれ 》
「‥ハァ‥…っ‥!!」
《 お前は皆の、希望なんだ…── 》
皆って、誰だよ
「……ぅ…く──ッ─そ!」
「──!?」
顔を歪めながら、きつく閉じていた瞼。
又左衛門が彼の帯を解こうとした瞬間──
突如として、大きく開かれた。
「お前!……な、何故」
「…ハァっ…ハァっ──ぅ、…さわんな!!」
開いた瞼の下には
生気を取り戻した漆黒の虹彩が──。
その中におさまった黒い瞳で隣の男を睨みあげ、突き飛ばし、傍らに置かれていたリュウの刀を手にして立ち上がった。

