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明治鬼恋慕
第11章 夜叉

「正体を知った時、お前たちの間柄はどうなるのだろうなぁ」
「なん…だと…!?」
「お前に裏切られた、と…──リュウとやらは思うに違いない……クク」
夜叉──それはつまり間の子( アイノコ )。
鬼と人の間に生まれた半人半鬼である。
人でもあり鬼でもある夜叉は
同時に人ではなく…鬼ですらない。
そう…焔来は、リュウとは違う存在なのだ。
「…リュウは…っ…そんな事気にしない…!」
「真にそう思っているのか? お前たちは仲間ではないのだぞ?」
「俺とリュウは仲間だ!」
──
《 …ッ‥ハハ…、なん だ‥‥仲間じゃ…ないか… 》
リュウは俺を一目見て
『仲間』だと言って、笑ったんだ。
あの時──
傷だらけでボロボロのリュウは、心の底から嬉しそうに微笑んだんだ。
《 やっと、会えたね…── 》
俺は絶対にあの笑顔を裏切ったりしない。
たとえ俺が間の子で、できそこないでも──。

