この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
明治鬼恋慕
第11章 夜叉

俺の身体はリュウよりも人間の男に近い。
治癒能力も低い。
人肉を見ても…食肉衝動は起こらない。
確かに俺は鬼じゃない。でもそれだけなんだ。
「…俺たちは……っ、互いを理解し合える、たったひとりの存在なんだ……!!」
今さら、種族が違うからなんだ。
俺とリュウの絆はもっと深いところにある…!
「くくっ……ははは! 互いを理解し合えるだと?」
「…!……ハァ、ハァ」
「本気で言っておるのか? お前はリュウの行動に異常さを感じ、違和感を覚えたことが一度とてないと言い切れるか?」
「それ、は……!!」
「…諦めるがいい。所詮、間の子であるお前は人にも鬼にも属せない」
「…っ…違う!」
「──…違うと言い張るなら、今すぐ私の首をはねてみろ」
「はぁ…!? なに言ってやがる…!」
「お前に鬼の心があるのなら、人間である私に慈悲など持たない筈であろう」
「……っ」
焔来は目の前の男が恐ろしくなる。
本気なのか、ふざけているのか。
この男の命は完全に焔来が握っているのに…又左衛門は挑発をやめない。

