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明治鬼恋慕
第12章 陰間茶屋

それから数分後。少年の喘ぎ声は突如、悲鳴にも似た嬌声に変わった。

「…おぅ…締まる、締まるぞ……」

行為に夢中な男に向けて、明らかに痛がりつつわざとらしく声を張り上げている。


…隣の部屋から届くのはそんな、吐き気をもよおすような生々しい音だった。


しかしリュウには老いた男に蹂躙される少年を気の毒に思う感情など沸かない。

所詮、声の主は人間と人間──。

その辺の野良犬がまぐわっているのと、いったい何が違うと言うのか。



そんな事より、僕は

…助けに行かなければならないんだ



「…っ…ハァ、く……、ぅ」


仰向けのままリュウが身体をよじる。

手枷と足枷( アシカセ )をほどくことができずに、力ずくで引きちぎろうと試みる。


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