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明治鬼恋慕
第12章 陰間茶屋

陰間茶屋の一室であるこの部屋には、硝子障子の向こうから聞きたくもない情事の音が届いてくる。

「おお、おお、なんとも可愛らしいものを付けておる…。どれ我がこの口で良くしてやろう」

隣の部屋だろうか。

奇妙なほどに興奮した老人らしきしわがれ声。
相手の少年に舌なめずりする光景が目に浮かぶ。

そして直後、声変わり前の少年のものと思われる弱々しい喘ぎ声がそれに続いた。


「気持ちよいか…、……どうなのだ?」


男が煽れば、「はい旦那様、気持ちようございます」とたどたどしく返事が返った。

そうかそうかと気分を良くした男は、再び少年のものに舌を絡めたのだろう。

すぐに大きさを増した喘ぎ声で察することができる。


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