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明治鬼恋慕
第1章 雪山
「──…君まで僕を裏切るんだね」
返り血を浴びた横顔。
俺の足元に向かって銃弾を飛ばしたお前は、絶望の表情で " 笑い " ながら呟く。
「…ちが…ッッ…─!」
銃弾をかわして後ずさった俺は雪に足をとられて動けなくなった。
「違うんだ、リュウ!…俺は…!!」
「言い訳なんていらない」
「…やめろっ…──違う! やめてくれ!」
肌を震わす純白の世界に
お前の周りだけが鮮やかな赤色で──
動かぬ屍と化した憲兵達の黒い服と混ざりあい、それは最高に毒々しい華として咲き乱れていた。