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明治鬼恋慕
第1章 雪山
それは、あの日お前と見た
一面に広がる曼珠沙華( マンジュシャゲ )。
紅く、紅く…
お前の怒りを映し出して、燃えているような。
「駄目だリュウ! 俺はっ」
「悪いのは焔来だよ」
今さら…喉がちぎれるほど叫んだところで意味はない。
お前は憲兵から奪った銃を構え直して
そして──心臓を狙ったそれが火を噴いた。
.....
お前には欠片の躊躇もなかった
“ 俺が悪いのか ”
これは罰だ
お前を裏切った俺に与えられた
訣別という名の報復だ