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明治鬼恋慕
第3章 擬態
しかし鬼は一見したところ、人と同じ様な身体を持っている。
何が違うかと言えば、身体能力や動体視力、自己治癒能力。
そして──
性別、という概念が無いことに起因する中性的な美貌であった。
男と女を掛け合わせたような彼等の見た目は、人と相容れぬ魅力と妖しさを纏い…
だから余計に恐怖を誘うのだろう。
そして迫害に追われる鬼たちがそれに気付き、焦っていたのも事実。
数百年の歴史の中で…鬼たちは何代にもわたって、その見た目を変えていくことになる。
性別の区別無く生まれてくる彼等の身体は成長に従って、男と女のどちらかに擬態するようにまで変わったのだ。
人間が支配するこの国で生き残るため…
それが彼等の、選択であった──。
───…