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明治鬼恋慕
第12章 陰間茶屋

浮き出た血管にそって指を這わすと、逃げるようにうねる。
あまり猛々しさは感じない──焔来よりひとまわり小さな大きさのそれが、手の内で怯えている。
濡れた鈴口に口付けをした。
唇が温かく濡らされ、糸を引く。焔来は舌で舐めとった。
「ハ ァ……っ」
するとリュウが再び、胸に爪を立てて苦しそうに顔を歪めた。
それに気付いた焔来は慌てて口を開け、彼の先端をできるだけ奥まで呑み込む。
「…はぁ‥っ…‥ハ、はぁ、ッぁ……アアっ…!!」
「…っ…ン、ン」
どうすればいいのか──やり方なんて知らない焔来だが、着物屋でリュウにされたことを思い出しながら舌と唇を動かした。
ざらついた窪みを狙って、ぐるりと舌を回す。
尖らせて…鈴口へねじ込む。
そして上顎に当たるように深くまで咥えて強く吸うと、リュウが頭に手を添えてきた。
引き剥がすわけでもない…誘うわけでもない。
何かを訴えるかのように、弱々しい力で黒髪を撫でてきた。

