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明治鬼恋慕
第13章 迎撃
結局、それからもう一度…
リュウは焔来の手管( テクダ)で果てを迎える。
三度目ともなると、香煙によって押し上げられた劣情も大人しくなり、リュウの呼吸は漸く落ち着いた。
涙の膜で虹彩を潤ませながらも視界ははっきりと元通りになった。
「どうだ…? リュウ…。もう、平気か?」
「…ハァ……ハァ、うん……っ」
これならちゃんと、走れるよ。
板塀から背を離してリュウが力強く応える。
「その前に…っ…ハァ、手を出して焔来」
「手を?…いいけど、なんだ?」
「これを拭き取らないと」
リュウは焔来の両手を持ち、自身の着物の袖で汚れを拭った。
自分が散々に吐き出した欲情を──
指の間にまで纏わりついたそれを、一滴も残さぬように拭いとる。