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明治鬼恋慕
第13章 迎撃

「どうした!なんだ?」
「門番が倒れてきたぞ!あそこの二人組が…っ」
大きくなる騒ぎを尻目に二人は逃げていく。
再び警笛が鳴らされて、騒ぎに気付いた憲兵が集まってくるのもわかった。
「ハァっハァっ…リュウ、この先に隠れる場所は…!?」
「…よく…わからない。あの馬に乗るよ!」
この状況では安易に身を隠しても意味がない。
左手には、赤レンガを使った立派な馬小屋が大きく軒を出している。
その入り口に繋がれた──おそらく憲兵が乗ってきたと思われる馬の背に飛び乗り、街道を進んだ。
──
積もった雪が人間によって踏み固められ、道の上は滑りやすい。
馬の足音は軽快とは言いがたいが、それでも自分で走るよりはずっと速かった。
凍える風を顔に浴びつつ、焔来は後ろを気にしている。

