この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
明治鬼恋慕
第14章 決別

この風景は正しく、焔来が十の歳まで生まれ育った村である。

“ なんで、今さら… ”

「故郷」だと咄嗟に呼ぶことができないのは、この村へ抱いた少なからぬ憎しみが原因だろう。

農具を肩に担いで和気あいあいとした村の人間を見ても、焔来の表情は曇るだけだった。

けれど…


「母さん……!」


その村人の中に、着物の袖を襷( タスキ )で縛る母の姿を見付けた時、焔来の目の色が変わった。

土で汚れた手で額の汗を雑把( ザッパ)に拭う仕草でさえ群をぬいて透き通っている。


──綺麗だ


焔来は思わず呟いた。



「母さんのところに行かないのか」


「─…て、父さん…っ」



実の母親に見とれてどうする。

すぐ隣からの声にぎょっと振り向くと、いつの間にか仁王立ちの父がいた。


/329ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ