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明治鬼恋慕
第3章 擬態
リュウがそれに気を悪くしている風もない。
「──…その前に、脱いで」
にっこりと口角を上げて微笑みながら、灯りを手に歩み寄った。
「……は?」
「脱ぎなよ」
「露骨だなおい」
酒を注ぐための器を探す焔来に向かって、リュウが同じ言葉を繰り返す。
「…脱ぎなよ」
「…ちょ…わ、わかった…」
落ち着いた口調に迫力を混ぜてしまうのはリュウの特技である。
目の前のご馳走にはしゃいでいた焔来も、渋々言うことを聞くしかなかった。
着物の合わせを開いて、腕を抜く。
「……ハァ」
灯りを横の釜戸に置いてリュウが溜め息をついた。