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明治鬼恋慕
第16章 吐露

焔来は動けなかった。

相変わらず明かりの灯っていない室内だが、開いた扉から射し込む光で視界ははっきりしている。

吹き込む風は、凍るように冷たい。


カタカタ...


焔来の肩が震えだしたのも、そのせいだろう。


「──…ク、クク、は…」


だから…彼の震えに気付いたリュウは、素早く扉を閉じたのだ。



「焔来ってば、…っ…すごい顔…」

「……!?」

「フフ…そんなに…驚いたの?…開いた口もっ…ふさがらないくらい……!!」


扉が閉まって、また小屋の中は薄暗く…。

けれどどういう理屈か、焔来から見るリュウの輪郭は変わらずくっきりと鮮明だった。


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