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明治鬼恋慕
第16章 吐露
「僕だって、驚いてるよ…。自分がどうして生きてるかなん て…──ッ、ハァ、……わからない」
僕は僕を、殺したつもりだったのに
「鬼を殺すには、首をはねるか…狂骸湯を──…。フ、フフ……!!──案外、あの言い伝えには……信憑性が…ありそうだね」
それを身をもって知れたのだと、着物の合わせを開きながらリュウが笑った。
可笑しくて仕方がないとでも言いたげに…腹を抱えている。
だがやはり致命傷には違いないのだろう。笑いつつもその振動が傷口に響き、リュウの呼吸はますます苦しげに変わった。
銃で心臓を撃ち抜いたのだ。
平気なわけがなかった。
「……ハァ…ハァっ…。…ねぇ、知ってた? 焔来」
「──…!」
「人間の血や肉は……っ、僕たち鬼にとって、…治癒を速める…効果があるみたい」
細めた目で焔来を見下ろし、妖艶に微笑む。
そんなリュウの口許にこびりついた血は、彼自身のモノだけとは限らない──。