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明治鬼恋慕
第3章 擬態
緑色の虹彩に縁どられた、うっすら茶色い瞳。
そんなリュウの目に灯りの炎が映り込んでいる。
「はは! なんだよその理由」
リュウが落方村の行事に参加する理由を聞いて、焔来は腹を抱えて笑った。
「笑うなんて酷いな」
「…だってよ、…クク、それってつまりは嫉妬だろ? 女みたいな奴だなリュウは……ハハっ」
「……女じゃない。僕はもう、男だよ」
「…っ、そう言えばここ一年で少し声が低くなってきたよな。背は俺くらいに伸びたし」
「そうだね」
「まさかリュウが " 男 " になるとは思いもしないよな。出会った頃の美少女が懐かしい」
トクトクと器に酒を注ぐ。
焔来は大げさに昔を懐かしみながらリュウをからかった。