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明治鬼恋慕
第4章 鬼狩り
数日後
「──焔来? 出掛けるのかい?」
透き通った晩秋の日射しの下、枯れ葉を運ぶ風に黒髪を撫でられながら、リュウが戸口から顔を出す。
彼が呼び止めた先には焔来がいた。
「ああ、千代様に呼ばれてるんだ。村に芝居屋が来てるらしい」
「芝居屋?」
「詳しくは知らねぇけど。リュウも来るか?」
「…僕は行かないよ」
こういう城から離れた村に見世物が来るのは珍しかった。
焔来は芝居屋というのを見たことはないが、何やら珍しい事を披露する集団らしい。
千代の付き添いという立場ながら内心楽しみにしている焔来は、リュウも誘うが…二言目には断られた。