この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
明治鬼恋慕
第5章 出立
ハァ…っ
「…好きだよ…──焔来」
やっと唇を解放したリュウが耳許で囁く。
そんなの…何度も何度も言われてきたんだ。
今になって改めて言われなくてもわかってる。
そもそも口に出さなくても、普段のリュウの言動から嫌でも気付く。
「…焔来は…っ…千代様が好きなのかい?」
リュウの片手が下に伸びて
焔来の着物の合わせを割った。
「あッ…そっちはっ!」
「焔来は僕よりも人間が好きなの?」
「やめっ…触るなっ」
まだ起ちきってはいない性器をぎゅっと握りしめられ、不意討ちのそれに焔来は短い悲鳴をあげた。
反射的に起き上がろうとした上半身を、またもやリュウに押し返される。