この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第9章 盗撮 編 3-1 コスプレ
「・・・ねえ、聞いてるの? いるんでしょ!ねえ?」
来瞳の苛立った声で大石は、現実に戻った。
「なっ、何!!」
「ちょっと、何で慌ててるの?まさか覗いた時の事を思い出してるんじゃないでしょうね!? 」
大石は再び、心臓が口から飛び出るかと思った。
なんて勘が鋭いんだ!これじゃ、盗撮がばれる訳だ・・・
隠し事は出来ない、そう大石は思った。
「いや、時間が気になってね。で、何?」
「だから、無理矢理でもいいから起こして連れて来てよ。シーツをいきなり剥がして襲うぞって言えば起きるでしょ?」
「無理だよ、真奈さんはランジェリーしかつけてないんだぞ!」
「もう!だったら抱き上げて連れてきて!」
「え?それは真奈さん、怒るだろ?」
「何よ!さっきから真奈さん真奈さんって!私の事は呼び捨てなのに!」
大石は呆然とした。
何を怒っているんだ?・・・
「だから、私が許可するわよ!どんな方法でもいいから連れてきて!」
そう言ったきり更衣室の中から来瞳の声は聞こえてこなくなった。
「どんな方法でもって言われても・・・」
困った声で来瞳にも聞こえる様に、そう呟いた大石は、しかし顔はすでにニヤけていた。
どんな方法でも・・・これは役得だぞ!しかも来瞳の許可も出ているから・・・
なんて美味しい役なんだ!
大石はウキウキした気分でベッドサイドに立つと、あれこれ考えをめぐらせた。
おんぶするのが一番楽しそうだけど、起きてしまったら元も子もない・・・
やっぱりお姫様抱っこ、だな。うん・・・
幸い真奈は仰向けで寝ている。
そのまま背中と膝の裏に両手を差し込めば、抱きかかえられそうだった。
そっとシーツの下に手を差し入れ、そろそろと手を伸ばす。
ランジェリーだけをに見つけた真奈の肌の感触が手の平に伝わる。冷たい肌だった。
一気に身体の下に手を通し、シーツが掛かったままの真奈を抱き上げた。
「んんっ・・・」
真奈は軽く呻いただけでスヤスヤと眠っている。
ここで起きるかもしれないと思っていたので、ホッと溜息をついた大石だった。
想像していたよりも軽く、華奢な身体つきだったことが分かる。
大石は真奈の寝顔を近くからマジマジと見つめ続けた。