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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第12章 イチャラブ 編 1-1

松並木がずっと続いている海沿いのこの国道は、かつては主要道として車の往来が激しく、道沿いにも結構な数の個人商店が並んでいて賑わっていたものだった。

ただ、より内陸部に渋滞緩和のための新しい国道が出来てからは、道沿いの広いスペースを生かして出来た大型の商業施設が立ち並ぶそちらの道を走る車が増え、日曜日の早朝と言うこともあってか、今は旧国と呼ばれるその道を通りかかる車はまばらだった。

鬱蒼とした林に囲まれた神社がその旧国道沿いにあるが、その神社前にあるバス停は、時刻表も所々錆びていて、初めてここに来た人は実際にバスが来るのか心配になってしまうかもしれない。

数台の車が通っただけの人気のないそのバス停に、若く元気に、そしてウキウキした様子の声が聞こえてきた。

3人の男子高生が神社の鳥居をくぐってバス停に向かって歩いて来る。

「どうだ!神社の境内を抜けてきた方が近道だっただろ!」
「ホントだ!おかげで遅刻しなくてすんだよ・・・良かった・・・」
「まったく!こんな時に寝坊だなんて信じられないよ。俺さ、嬉しくて目覚ましでセットした時間より早く起きたんだぜ」
「俺もさ!夜はウキウキして寝つけなかったけどな!」

3人の内、真ん中を歩いている寝癖が付いたままの髪で、Tシャツを着ている男子が照れくさそうに頭を掻いた。
「俺も目覚ましをセットしておいたんだけどさ・・・いつの間にか止まってたんだよ・・・」

「京一が自分で止めたんだよ!!」
左右にいる2人が声を揃えた。
息の合ったツッコミに歓声をあげてハイタッチをする。

向かって右側のポロシャツを着ている青年がからかう様に言った。

「ひょっとして、これからの1週間彼女と過ごすことを考えて我慢できずに、夜1人でがんばっちゃったとか?」
「そ、そんなことしてねえよ!」

京一が必死に否定したのを聞いて、左側のラフにシャツを着こなしている、少し気取った男子が笑う。

「あははは・・・あのさ・・・」

急に真顔になって2人に話しかけた。

「俊と京一に良いものをあげよう・・・えっと・・・」

リュックの中をごそごそと掻き分けて出した箱の中からコンドームを取り出して、それぞれに2つずつ渡しながら言った。

「童貞の君達でも、万が一に備えて持っているのは女の子に対するエチケットだからな」
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