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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第12章 イチャラブ 編 1-1
コンドームを渡された俊と京一はお互いに顔を見合わせた後、自然と表情がニヤけてしまう。
「使い方が分からなかったら、その時は呼んでくれ」

琢磨の言葉に、ニヤけていた2人の表情が真顔に変わる。

「琢磨・・・おまえって良い奴だ・・・キザだけどな!」

俊がいきなりコンドームを渡した琢磨に飛びかかり、京一もそれに続いた。
ふざけ合ってパンチやキックを繰り出す振りをしながら、3人とも笑いあい、じゃれ合い始める。

しかし遊びでも琢磨のフットワークは軽く、華麗だった。
ボクシング部で活躍している彼は、素人の俊と京一とは動きが違う。

「ふふっ、童貞君達のパンチは経験者には当たらないんだよ」

そう言いながら左のジャブを素早く繰り出す。
が、後ろにこっそり回った京一に羽交い絞めにされてしまう。

「あっ!卑怯だぞ、童貞君達!」
「うるさいな・・・俊!好きなように弄ぶんだ」
「ナイスだ!京一・・・流石、レスリング部だな。任せておけ」

いやらしい笑いを浮かべながら指をクネクネと動かし、俊が近づいていく。

「女の子相手に鍛えたこのくすぐりの技、味わうがいい!」

くすぐりには極端に弱い琢磨の表情が真剣になり、慌てて謝るが俊は止めようとはしない。

「あっそうだ!おい!女の子達、遅くないか?!」

苦し紛れの琢磨の真剣な声に、京一も俊も我に返り、3人とも顔を見合わせた。

「そうだ!そろそろバスが来る時刻だぞ!」

俊が叫んでリュックを掴むとバス停に向かって走り出した。
京一と琢磨も後に続く。

時刻表を確認するとバスが来るまで後数分しかなかった。

「大丈夫かな?俺たちには遅刻するなって言っておきながら、どうなってるんだ?」

京一が今頃になって寝癖を気にしながら、心配そうにバスが来る方向を見つめている。

「バスで行こうって、向こうから言い出したのにな。まったく・・・」

俊が握りしめていたコンドームをポケットに入れながら溜息をつく。
それを見て慌てて京一もポケットに押し込んだ。

「まあ、女の子は準備に時間がかかるものだからね」

琢磨の言葉に3人ともまたファイティングポーズをとるが、今度は笑いあうだけだった。

その時、3人が来た神社の境内から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
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