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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第12章 イチャラブ 編 1-1
梨乃は俊君と、沙紀は京一と、きっと私と琢磨君の間に起った事と似たようなことがあったと思った。
でも、あんな場所だから女の子から身体を寄せてしまうのはしょうがないことだし、男の子もそれを突き放すことは出来ないと思う。
自分の事を棚に上げて、とやかく言うつもりも無かった。それよりも、終わってしまったことよりこれからの事を考えたかった。
琢磨君は京一には秘密にしてくれると言ったから、それを信じるしかない。
そして、沙紀の間で何かあったとしても、私がその記憶に私との事で上書きしてしまいたかった。

部屋に戻っても、私と同じように梨乃や沙紀も、彼と会いたがっているのが良く分かった。
3人共、静かでも溜息が多くなっている。口数もいつもより少ない。
もし抱きついただけで終わっていれば、そのことで大いに盛り上がっているはずだった。
それが無いのは、抱きついた以上の事があったからで、口にできないようなことがあったからだった。

京一に抱きしめられた後、琢磨君にも触られて、思っていたより身体が疼いたままになっていることが、今は良く分かる。

京一に抱かれたい・・・そんな思いがどんどん強くなってくる。
オナニーをしたい、そんな時の気持ちとは違う、抱かれたい、と言う気持ち。
まだ処女だけど、少しでも経験をしたからだろうか、それまでとは違う私がいるみたいだった。

「ごめんね、琢磨が話をしたいって。ちょっと行ってくるね。先に休んでていいから」
突然梨乃がスマホを手にしたまま立ち上がり、呆気にとられている私達を残して部屋を出て行ってしまった。
照れ笑いをしながら見つめ合い、お互いにスマホに視線を落とす。
気持は同じはずだった。
すぐに沙紀と私にもメールが届いた。
お互いに落ち着いた振りをして確認した後、そそくさと支度をして沙紀が初めに部屋を出ていった。
一緒に出るのが気まずくて、私はワザと少し遅れて出ていく。

旅行に来てから、初めて彼に呼び出された夜。
実家では決して経験できない出来事に、心も身体もテンションが上がっていく。
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