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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第12章 イチャラブ 編 1-1
降りなければならない停留所へバスが近付くにつれて、だんだんと口数が少なくなっていく3組のカップル。
手をしっかりと繋いだまま、見慣れているはずの窓の外の風景をじっと見つめていた。
黙り込んだままバスを降りた6人は、敏感に季節の変化を感じ取っていた。
時刻は朝と夕方の違いはあっても、気温や湿度、吹いている風やひぐらしの音に、旅行に行く為にここからバスに乗った時から1週間分、時間が過ぎただけ確実に夏が終わりに近づいていることが感じられた。
そして自分たちの心境の変化、旅行の前と比べればちょっぴり大人になれたような、少し進んだ2人の関係。
それは嬉しい事でも、少年と少女の時が少しずつ無くなっていくのを実感させて、6人の気持ちを寂しくさせていた。
夏という季節と青春時代が、少ずつ終わりに近づいていることが重なって、切なくなってくる。
それでも、またいつもの日常が待っている。
クラブ、勉強、バイト、友達、彼女、彼氏・・・
ブルーな気分を吹き飛ばそうとするかのように、心愛が口を開いた。
「あの!・・・」
勢いよく話し出したのはいいが、彼氏達3人に見つめられて口ごもってしまう。
「何?・・・」
京一の問い掛けに沙紀が応えた。
「あのね・・・今回の旅行はとっても楽しかったから・・・」
「そう!凄く楽しかったから、こんな思い出を作ってくれて私達、とっても感謝してるの」
梨乃が話を続ける。
「だから・・・私達で、その・・・プレゼントが、あるの・・・」
心愛が頬を染めながら話す。
3人の男子が顔を見合わせて、日焼けした顔から白い歯を見せて笑った。
「プレゼント?何をくれるんだ?」
「俺たちだって感謝はしてるよ、なっ京一?」
「もちろん!!」
6人の間に暖かい風が吹いたようで、全員が笑顔で見つめ合った。
「それじゃ、そこに並んで、両手を出してくれる?」
「それから目を瞑ってね。良いって言うまで絶対に目を開けちゃだめだよ」
彼女達の言葉に素直に従って、目を瞑ったまま手を差し出していく。
緊張しているのか、表情がこわばっている。
「もう!変なことはしないから緊張しないでよ」
梨乃が笑って声をかける。
「緊張するなって言っても・・・」
「俺、怖くなってきた・・・」
「へ、変なモノ、手に乗せるなよ!」
身体中に力が入ったまま目を瞑り手を差し出している彼氏達。
手をしっかりと繋いだまま、見慣れているはずの窓の外の風景をじっと見つめていた。
黙り込んだままバスを降りた6人は、敏感に季節の変化を感じ取っていた。
時刻は朝と夕方の違いはあっても、気温や湿度、吹いている風やひぐらしの音に、旅行に行く為にここからバスに乗った時から1週間分、時間が過ぎただけ確実に夏が終わりに近づいていることが感じられた。
そして自分たちの心境の変化、旅行の前と比べればちょっぴり大人になれたような、少し進んだ2人の関係。
それは嬉しい事でも、少年と少女の時が少しずつ無くなっていくのを実感させて、6人の気持ちを寂しくさせていた。
夏という季節と青春時代が、少ずつ終わりに近づいていることが重なって、切なくなってくる。
それでも、またいつもの日常が待っている。
クラブ、勉強、バイト、友達、彼女、彼氏・・・
ブルーな気分を吹き飛ばそうとするかのように、心愛が口を開いた。
「あの!・・・」
勢いよく話し出したのはいいが、彼氏達3人に見つめられて口ごもってしまう。
「何?・・・」
京一の問い掛けに沙紀が応えた。
「あのね・・・今回の旅行はとっても楽しかったから・・・」
「そう!凄く楽しかったから、こんな思い出を作ってくれて私達、とっても感謝してるの」
梨乃が話を続ける。
「だから・・・私達で、その・・・プレゼントが、あるの・・・」
心愛が頬を染めながら話す。
3人の男子が顔を見合わせて、日焼けした顔から白い歯を見せて笑った。
「プレゼント?何をくれるんだ?」
「俺たちだって感謝はしてるよ、なっ京一?」
「もちろん!!」
6人の間に暖かい風が吹いたようで、全員が笑顔で見つめ合った。
「それじゃ、そこに並んで、両手を出してくれる?」
「それから目を瞑ってね。良いって言うまで絶対に目を開けちゃだめだよ」
彼女達の言葉に素直に従って、目を瞑ったまま手を差し出していく。
緊張しているのか、表情がこわばっている。
「もう!変なことはしないから緊張しないでよ」
梨乃が笑って声をかける。
「緊張するなって言っても・・・」
「俺、怖くなってきた・・・」
「へ、変なモノ、手に乗せるなよ!」
身体中に力が入ったまま目を瞑り手を差し出している彼氏達。