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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
「俺達と遊べるのに断るなんて、笑っちゃうね」
「そうそう、そんなグループが前にもいたけどそいつらは・・・」
「止めとけよ!」
リーダーの尖った声に、じりじりと近づいて来ていた2人の動きが止まる。不服そうな顔を
しながらもリーダーの言葉に従ったのを見て、私達は安堵した。
そして、この部屋に入った時とは違うドキドキを感じながら、後ずさった。
「いろいろ失礼な事を言ってしまってすみませんでした。今日は宜しくお願いします。失礼
します」
早口でそれだけを言うと、急いでドアを開け廊下へ飛び出した。
何人ものスタッフが怪訝そうな顔をして通り過ぎる。もちろん何事もなかった風を装って自
分たちの楽屋へ逃げる様に戻った。

楽屋へ戻っても涼奈と舞風、心瑠は強張った顔のまま手を繋いでいた。そんな3人を私と愛
美とで包むように抱き締めた。誰も何も言わない。私は、ホッとできる暖かい場所に戻って
こられたことを嬉しく思っていた。
「もう忘れようよ。これからの仕事の事だけ考えて!ね?」
「うん、そうだね。自分たちがやらなきゃいけない事、それをがんばらなきゃ」
私と愛美の声に3人も、頷いてくれる。

そろそろスタジオへ、と呼ばれる時間だった。
TVで見ている顔とは違った面を見せてきたあの男性グループ。あんなことを他の女の子達
にもしているのかな?、それと断ったグループはどうなったのかな?
最後に話していた言葉が気になっていた。
人の事を悪くは言えないけど、でもメンバーを守らなきゃ。
あんな誘いに乗っていたら、何をされるのか、と考えると怖くもなった。
それに、私達も人に言えないことをしてきているし・・・
あんなに偉そうな事を言える資格は、私にはないんだよね・・・
そう思うと、自分が酷い人間の様で気分が重くなる。

いけない・・・集中しなくちゃ・・・
メンバーとスタジオに向かいながら、自分に集中、集中と言い聞かせた。
自分たちのしてきた事、これからもやろうとしている事を、後悔するのは止めようと決めてある。
私達のやり方でもっと登って見せる。あんな誘いをされることが無いように。
そう思うと、身体にグッと力が入ったように元気が出てきた。

「初出演です。ファータフィオーレの皆さんです!」
ADの紹介でスタジオに入る。拍手に全員、笑顔で応えた。
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