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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第15章 バイト(マッサージ)編 1-1
母親がケガをした。突然のことだった。
右手首骨折と左肩打撲。更に右足首もひびが入るという、いわゆる重症とい
うヤツだった。
「年甲斐もなくスノボなんてやってるからだろ」
病院のベッドに横たわる痛々しい姿の彼女を見ながら、呆れている風で俺は
言った。内心ではホッとしている。しかし、救急車で病院に運ばれたと聞き
心配して駆けつけたのに、この人はまったく悪びれた様子が無い・・・。
ベッドサイドに車いすを片付けていた看護師の若い男(しかも、さわやかイ
ケメン)はそんな俺を見て、白いきれいな歯をキラッとさせて笑った。
「でも、あの状況でこれだけのケガで済んだんですからすごいですよ、神崎
さんは。ねっ?」
「え~そんな・・・。運が良かっただけです。ふふっ」
イケメンを見上げ頬を染めて照れる仕草をする彼女を見て、俺は内心ため息
を付いた。
あ~あ・・・これは退院するのに時間がかかるな、きっと・・・
一人息子がいるのにお構いなく、彼女はイケメンに甘えるように話しかけ、
その返事に喜々としている。
たしかに彼女は、いや母親は40台前半なのに若く見えるタイプだった。贔屓
目なしでそう思えた。
一緒に外食をしているところをクラスの友達に目撃された時は、20代中ご
ろの美人OLとデートしていたと、勘違いされたほどだ。
緩くウェーブを掛けた綺麗な黒髪と白く張りのある肌。大きめの瞳にスッと
通った鼻筋。しかも小顔。大人の女性であってもかわいらしさを残している
、そんな女性だった。
その容姿だけでなく、生き方も含めて俺にとっては自慢の母親だったが・・
・
「それじゃ、僕は次の仕事があるので・・・。でも何かあったらすぐに呼ん
でください」
そう言って部屋を出て行ったイケメンと手を振り合っている彼女の瞳は、既
にハートになっていた。そして、そのまま視線を俺に向けてくる。
「あのね・・・お願いがあるの・・・」
と顔の前で両手を合わせる母親、いや彼女にドキッとしてしまう。
な、なんだよ・・・可愛いな・・・
顔が赤くならないように、無関心を装った。
「店を休みにする訳にはいかないの。だから私の代わりに店に出てお客様の
対応をして欲しいの!」
「はぁ~?そんなの無理に決まってるだろっ!」
「そんなこと言わないで!」
右手首骨折と左肩打撲。更に右足首もひびが入るという、いわゆる重症とい
うヤツだった。
「年甲斐もなくスノボなんてやってるからだろ」
病院のベッドに横たわる痛々しい姿の彼女を見ながら、呆れている風で俺は
言った。内心ではホッとしている。しかし、救急車で病院に運ばれたと聞き
心配して駆けつけたのに、この人はまったく悪びれた様子が無い・・・。
ベッドサイドに車いすを片付けていた看護師の若い男(しかも、さわやかイ
ケメン)はそんな俺を見て、白いきれいな歯をキラッとさせて笑った。
「でも、あの状況でこれだけのケガで済んだんですからすごいですよ、神崎
さんは。ねっ?」
「え~そんな・・・。運が良かっただけです。ふふっ」
イケメンを見上げ頬を染めて照れる仕草をする彼女を見て、俺は内心ため息
を付いた。
あ~あ・・・これは退院するのに時間がかかるな、きっと・・・
一人息子がいるのにお構いなく、彼女はイケメンに甘えるように話しかけ、
その返事に喜々としている。
たしかに彼女は、いや母親は40台前半なのに若く見えるタイプだった。贔屓
目なしでそう思えた。
一緒に外食をしているところをクラスの友達に目撃された時は、20代中ご
ろの美人OLとデートしていたと、勘違いされたほどだ。
緩くウェーブを掛けた綺麗な黒髪と白く張りのある肌。大きめの瞳にスッと
通った鼻筋。しかも小顔。大人の女性であってもかわいらしさを残している
、そんな女性だった。
その容姿だけでなく、生き方も含めて俺にとっては自慢の母親だったが・・
・
「それじゃ、僕は次の仕事があるので・・・。でも何かあったらすぐに呼ん
でください」
そう言って部屋を出て行ったイケメンと手を振り合っている彼女の瞳は、既
にハートになっていた。そして、そのまま視線を俺に向けてくる。
「あのね・・・お願いがあるの・・・」
と顔の前で両手を合わせる母親、いや彼女にドキッとしてしまう。
な、なんだよ・・・可愛いな・・・
顔が赤くならないように、無関心を装った。
「店を休みにする訳にはいかないの。だから私の代わりに店に出てお客様の
対応をして欲しいの!」
「はぁ~?そんなの無理に決まってるだろっ!」
「そんなこと言わないで!」