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女子大生 水野果歩
第177章 女子大生 水野果歩(177)
果歩は山井の後ろを歩きながら数ヶ月前、初めてここ、トミタスポーツを訪れた時の事を思い出す。
あの時、山井に連れていかれたあの部屋で、果歩は初めて富田と対面した。
あの頃は、留学先で頑張っている友哉に刺激を受けて、自分も何か頑張らなきゃと意気込んでいた果歩。
大学の勉強も、毎日のアルバイトも一生懸命やって、日々大人になっていく友哉と、少しでもつり合えるようなしっかりとした大人の女性になりたかった。
しかし今はあの頃の自分がまるで別人のように思える。
どうしてこうなってしまったのか、どうして歯車がこうも狂ってしまったのか。
それが他人の責任ではなく、自分が選択してきた道なのだという事を果歩は自覚している。
友哉の浮気を疑ってしまった時、あの時弱った果歩の心に与えられたSEXという薬は、果歩を快楽の世界へと引きずり落としたのだ。
想像を絶する快感だった。
今までの友哉とのSEXを全否定するような、強烈で官能的なSEX。
それまで何も知らなかった初心な身体は、その甘美な快楽の虜となる。
気付いた時には自分で自分にブレーキを掛ける事ができない状態にまでSEXに依存していた。
富田とのSEXで得る快感は、どんなものにも効く特効薬であった。
辛い事も悲しい事も、寂しい孤独な心も、全てを忘れさせてくれるのは富田だけだった。
そしてそれは今も変わらない。
人間関係で辛い状況へ追い込まれれば追い込まれる程、孤独を感じれば感じる程、富田への依存心は募るばかり。
果歩 「・・・・・・。」
・・・富田さんに捨てられたら・・・私・・・死んじゃう・・・
しかし果歩は、そんな自分の気持ちに自問自答する。
〝ァ・・・後藤君・・・ン・・・ァ・・・ハァ・・・〟
それなのに・・・どうしてあんな事をしてしまったのだろう。