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女子大生 水野果歩
第183章 女子大生 水野果歩(183)
智恵 「ごめんね康介、お母さんが悪かったわ。」


康介 「・・・ぅぅ・・・」


智恵は何度も謝りながら、泣き続ける康介の頭を撫でていた。

少しして落ち着きを取り戻し始めた康介は、智恵の顔を見てある事に気が付いた。


康介 「・・・お母さん、身体の具合でも悪いの?」


智恵 「ぇ・・・どうして?」


康介は智恵が額に汗を掻いている事に気が付いたのだ。髪の生え際もその汗で濡れているように見える。

それに今日の母・智恵はなんだかいつもと違う香りがすると、康介は子供の敏感な嗅覚で感じ取っていた。


康介 「・・・・・・。」


康介が子供ながらにそんな疑問を抱いていると、寝室の中から今度は違う、父親のものでもない、聞いたこともない声が聞こえてくる。


高木 「どうしたんだ智恵?何かあったのか?」


薄暗い寝室から康介の知らない男性が、ズボンのベルトを締めながら出てきた。


智恵 「あ、あの・・・子供が・・・」


高木 「ん?へぇ・・・居たんだ、子供なんて。」


知らない大人を前にして、康介は隠れるようにして智恵により一層強く縋り付く。


智恵 「こ、康介・・・この人はね、お母さんのお友達の高木さんよ。」


康介 「・・・・。」


智恵がそう言っても康介は黙ったままだった。子供ながらに、この高木という男に対して何かを感じていたのかもしれない。

それに母・智恵の様子もどこかおかしいと康介は感じていた。


高木 「フッ、じゃあなんだ、これはあの富田社長のガキって訳か?」


智恵 「ぇ・・・えぇ・・・そうです・・・。」


高木 「へぇ、なるほどねぇ。」


高木は口の端を吊り上げながら、大きな手で母親に抱きついて離れない康介の頭を撫でた。


高木 「フッ、いいなぁ君は。将来トミタグループの社長を継げるんだもんなぁ、羨ましいよ。」


康介はそう言われてもなんの事だかさっぱり分からないといった様子で高木を見上げる。


康介 「・・・オジさん・・・誰?」


康介のその純粋な問いに、高木は少し考えてこう答えた。


高木 「ん?俺か?俺は君のお母さんとこういう事をする男さ。」


高木はそう言って、康介を腕に抱く智恵に顔を近づけて、その唇を奪った。

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