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女子大生 水野果歩
第183章 女子大生 水野果歩(183)
康介 「・・・・・・」
しばらくして母・智恵の身体を放した高木は、自分だけベッドから降りて服を着始めた。
そして身なりを整えた高木は、まだベッドの上で裸のままグッタリとしている智恵の耳元で何かを囁いた後、ゆっくりと康介の方へと近づいて来た。
そして今度は康介の耳元で高木は口を開く。
高木 「・・・君のお母さんはね、どうしようもない変態淫乱女なんだよ。」
高木は子供の康介に向かってそれだけ言うと、寝室を出ていった。
康介 「・・・・・」
高木が居なくなって静かになった部屋。
康介はゆっくりとした足どりで、ベッドの上に横たわる母・智恵の方へ近づいていく。
智恵 「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
康介 「・・・・・・・・お母さん・・・大丈夫・・・?」
目を閉じて荒い呼吸をしていた智恵が、康介の声でハっと目を開く。
智恵 「・・・こ・・・康介・・・」
康介 「お母さん・・・」
心配そうに智恵の肌に触ろうとする小さな手。
しかしそんな康介に対して、智恵は反射的に大きな声を上げた。
智恵 「リビングで待ってなさいって言ったでしょ!!!!」
康介は智恵の大きな声に一瞬驚いた表情を見せた後、目に涙を溜めた。
康介 「ぅぅ・・・ごめんなさい・・・だって・・・お母さんが・・・ぅぅぅ・・・」
そう、康介はただ母の事が心配で来たのだ。
智恵に大声を出された事で康介は自分が悪い事をしてしまったんだと思い、涙を流し始める。
しかしそれよもも先に泣き崩れたのは、母・智恵の方だった。
智恵 「ああ・・・ごめん康介・・・許して・・・ぅぅ・・・許してぇ・・・ぅぅ・・・」
そう言って智恵は泣きながら康介を抱きしめた。
髪の毛をボサボサにしたまま、顔をクシャクシャにして、智恵はまるで子供のように大泣きした。
康介もどうしたら良いのか分からずに、ただ智恵といっしょに大泣きした。
智恵 「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ぅぅ・・」
ひたすら耳元で聞えた智恵の謝る声が、呪文のように耳から離れない。
母・智恵が康介の前から突然姿を消したのは、それから数週間後の事だった。