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女子大生 水野果歩
第197章 女子大生 水野果歩(197)
富田 「ハァ・・・ぅ・・・ハァ・・・・」
無意識の内に富田がずっと心の奥深くで探し求め続けてしまっていた安らげる場所が、この部屋にはあった。
しかし富田には、自分が今この安らげる場所にいる事が、とても不自然に思える。
まるで別世界だ。
そう・・・別世界。
果歩も、記憶の中の母親も、この穏やかな空気も、安心できる香りも、全て今の富田には交わる事のできない世界に感じる。
そしてそれに気付いた時、富田は途轍もない孤独を感じたのだ。
富田 「ハァ・・・ハァ・・・」
果歩 「ぅぅ・・・ぅぅ・・・」
服を引き裂かれ、富田の下で涙を流す果歩が、口を開く。
果歩 「ぅぅ・・・ごめんなさい・・・ぅ・・・ごめんなさい・・・」
果歩が言ったその言葉、それがさらに富田にあの時の記憶を蘇えさせる。
〝ああ・・・ごめん康介・・・許して・・・ぅぅ・・・許してぇ・・・ぅぅ・・・〟
〝ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ぅぅ・・〟
母・智恵が富田に言った最後の言葉。
智恵はずっと涙を流し謝り続けていた。
そして、智恵は富田の前から去っていった。