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女子大生 水野果歩
第197章 女子大生 水野果歩(197)
富田 「・・・・・・お母さん・・・あぁぁ・・・お母さん・・・」
果歩 「ぇ・・・?」
富田の声に思わず閉じていた目を開き、富田の顔を見る果歩。
その時、富田の目には涙が滲んでた。
果歩 「・・・・富田さん・・・」
富田 「ああ・・・ハァ・・・ハァ・・・ぅ・・・」
ゆっくりと果歩の身体から離れる富田。
苦しそうに両手で頭を押さえ、足元はフラついている。
富田 「ハァ・・・ハッ・・・ハァ・・・俺は・・・俺は・・・ああ・・・」
果歩 「・・・富田さん・・・」
何かに苦しめられる弱々しい富田の姿を、果歩は悲しそうな表情でじっと見つめていた。
富田 「ああ・・・なんでだよ・・・お母さん・・・ハァ・・・あああ・・・」
そんな事を呟きながら、富田は覚束無いような足取りで部屋を出て行った。
・・・・・・
静まりかえった部屋。
果歩 「・・・・・。」
富田が居なくなった後も、果歩は服を引き裂かれた状態のままベッドの上に座っていた。
静かになった部屋で、ただ呆然と床の一点を見つめて・・・。
そしてしばらくした後、果歩は再びポロポロと大粒の涙を流していた。
孤独に苦しみ、悲しみ、もがき続けていた富田。
これが、果歩の人生で最後に見た富田の姿だった。