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女子大生 水野果歩
第20章 女子大生 水野果歩 (20)
少し時間は掛かったがなんとか心と身体を落ち着かせた果歩は、新たにクローゼットから持ってきた服に着替えた。
鏡の前で髪型や身なりを整える果歩。
ふと時計を見ると、もうアパートをでないといけない時間をとっくに過ぎていた。
「やだ!ほんとに遅刻しちゃう!」
授業に必要な用具とトミタスポーツのアルバイトで着る着替えが入ったカバンをもって慌てた様子で果歩はアパートをでた。
大学の講義室になんとか時間ギリギリで着いた果歩は、座った生徒の中に知子の姿を見つけると、その隣の席に座った。
「知子ちゃんおはよ~」
「おそよ~果歩。てゆうかもう午後の授業だし。果歩午前中の講義休んだでしょ~?」
「フフ、いいの、たまにはね。昨日秋絵先輩の部屋にお泊りしちゃったんだぁ」
「えぇ!?あんたまた秋絵先輩のマンションに泊まったのぉ?」
「うん、バイト帰りにたまたま会っちゃって。フフ、秋絵先輩の料理もお酒もおいしかったなぁ。」
「え~うそぉ!なんで私を呼んでくれなかったのよぉ!?」
悪戯っぽい笑顔で自慢する果歩に対し、お酒と料理と聞いて思わず大きな声をあげた知子。
「そこ!もう講義始めるから静かにしなさい!」
「は~い」
「は~い」
「もう、次そういう事あったら絶対呼んでよね。」
「わかった、わかったよぉ。」
今日は大学が終ればトミタスポーツでアルバイトだ。
昨日は特別、あんまりダラダラしてちゃダメだよね。友哉もオーストラリアで頑張ってるんだし。
そう自分の気持ちを引き締めて授業に集中していく果歩であった。