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魔法の右手
第3章 本来の私
* * *
最寄り駅から家まで帰る途中珍しい人と会った。
「あれ?…大翔?…」
「あっ!依莉じゃん!今帰り?」
スーツ姿の男。
細身のスーツに薄いピンクのカラーシャツ。細めのストライプのネクタイに、さりげないカフスボタンとハイブランドの腕時計、黒髪をツンツンと立たせた男と偶然に出会った。
顔も小さく、高身長。バランスも良くモデルですか?って思うぐらい端から見ればいい男だが、私には全くそんな事を感じない。
「おまえ…いつもこんな時間に帰ってくるの?」
さっきまでやりきれない気持ちを抱えたまま帰ってきた私に聞いてくる。
「殆ど…そうかなぁ〜」
「……。おまえさぁ〜こんな時間に帰ってくるんだったら、その靴やめろ!」
「はぁぁ⁈なんでこの靴がダメなわけ⁈そもそもなんで大翔にそんな事言われたきゃいけないの⁈」
「なんか危ない事があった時走れないだろう?
まぁ三十路のおまえはスニーカーでも足が縺れて転ぶか⁈」
「……。三十路じゃなくてまだ29歳です‼︎」
…くっ。
イラっとさせたこの男は小さい頃からマンションの隣に住む幼馴染。私は仕事柄、ファッションには気を使っている。
個性的な感じではなくて、歳も歳だし、少し高めのヒールにスッキリ見えるストレートデニム。オーバーサイズのシャツをインしてきっちり感のあるカッコイイ大人スタイルだ。
最寄り駅から家まで帰る途中珍しい人と会った。
「あれ?…大翔?…」
「あっ!依莉じゃん!今帰り?」
スーツ姿の男。
細身のスーツに薄いピンクのカラーシャツ。細めのストライプのネクタイに、さりげないカフスボタンとハイブランドの腕時計、黒髪をツンツンと立たせた男と偶然に出会った。
顔も小さく、高身長。バランスも良くモデルですか?って思うぐらい端から見ればいい男だが、私には全くそんな事を感じない。
「おまえ…いつもこんな時間に帰ってくるの?」
さっきまでやりきれない気持ちを抱えたまま帰ってきた私に聞いてくる。
「殆ど…そうかなぁ〜」
「……。おまえさぁ〜こんな時間に帰ってくるんだったら、その靴やめろ!」
「はぁぁ⁈なんでこの靴がダメなわけ⁈そもそもなんで大翔にそんな事言われたきゃいけないの⁈」
「なんか危ない事があった時走れないだろう?
まぁ三十路のおまえはスニーカーでも足が縺れて転ぶか⁈」
「……。三十路じゃなくてまだ29歳です‼︎」
…くっ。
イラっとさせたこの男は小さい頃からマンションの隣に住む幼馴染。私は仕事柄、ファッションには気を使っている。
個性的な感じではなくて、歳も歳だし、少し高めのヒールにスッキリ見えるストレートデニム。オーバーサイズのシャツをインしてきっちり感のあるカッコイイ大人スタイルだ。