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魔法の右手
第4章 ドSの王子様
休憩室に行くと自販機の前のソファーに雅はコーヒーを手に持ち座っているのが見えた。




田中 雅(たなか みやび)30歳
独身
彼氏アリ
同期入社
部署は違うが、仕事ができ、俺と俊を支えてくれる影のサポート役だ。



「俊から探してたって聞いた。」




雅はそのままソファーに座ったまま、コーヒーをグイッと飲みきり振り返って俺を見た。




「たまには私の頼みも聞いてくれない?」




俺は雅の隣に座り、普段バリバリと仕事をこなし、人に頼み事なんか滅多にしない雅の話を聞いた。




「今度、休みの日に付き合って欲しい所があるの。」


「俺に…?」


「ええ。ダメかしら?」


「……。駄目じゃねぇけど…話ってそれだけ?」


「そうよ。忙しい貴方だから前持って伝えておこうと思って…。」


「わかった。決まったら連絡して。」




……雅には借りがあるから無下にできない…。頼み事がなんなのかわからないが、雅と約束をして休憩室を後にした。




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